夏場所(平成31年)が終わったので感想を書いてみたいと思います。
今場所は、平幕の朝乃山が優勝すると言う予想外の展開になりました。横綱が高齢化し絶対的な力士がいなくなってしまったためか、色々な人に優勝のチャンスが出てきたのかもしれません。この機会に、将来が期待できる、わくわくするような若手が出てきてくれると嬉しいのですが。
今場所の感想
場所の結果
幕内優勝 | 西8枚目 | 朝乃山 | 12勝3敗 |
技能賞 | 西5枚目 | 竜電 | 10勝5敗 |
殊勲賞 | 西8枚目 | 朝乃山 | 12勝3敗 |
敢闘賞 | 西4枚目 西8枚目 東12枚目 |
阿炎 朝乃山 志摩ノ海 |
10勝5敗 12勝3敗 10勝5敗 |
十両優勝 | 東2枚目 | 貴源治 | 13勝2敗 |
今回は、夏場所のテレビ中継を見て自分なりに思った事をぱらぱらと書いてみたいと思います。
トランプ大統領来日
今場所、結果的に一番盛り上がったのが、トランプ大統領が千秋楽を観覧するというイベントでした。
偶然?? にも、前日に優勝が決まってしまい、勝敗に関する興味が薄れてしまったうえに、優勝決定戦で表彰式が遅れる心配もなくなり、奇しくも、この世紀のイベントを全員が待ち受ける体制が出来上がってしまいました。
当日は、朝からテレビ各局でゴルフやら移動やらその動向がずっと中継され、雰囲気が盛り上がったところで、いよいよ、安倍首相夫妻とともに夫人を同伴して国技館に登場となりました。観覧のためにわざわざ椅子を設置し、表彰(アメリカ合衆国大統領杯の授与)で土俵に上るための特設階段まで準備する念の入れようです。なんか良いものを見たなって感じです。
そして思ったのは、大相撲と言うものは、スポーツとしての側面はあるものの、文化としても貴重なものだなあという事です。今回、彼がどのくらい理解できたのかはわかりませんが(取組中の反応は薄かったですね … )、外国人への接待でこれ以上良い意味でインパクトのあるものもないような気がします。
力士にとっては、いつもと違う雰囲気でやりにくい面もあったのかもしれませんが、元々、相撲を始めとしたこの手の格闘技大会などと言うものは、だいたい、時の支配者が権力を示すために開催してきたわけで、逆に、今回の千秋楽こそが相撲の本来の姿なんじゃないかと思ったりします。
栃ノ心と朝乃山の取り組みでの物言い
13日目、前半は順調に大関復帰(10勝)に向けて勝ち星を重ねていたものの、あと1勝となってから勝てなくなってしまった栃ノ心と、平幕中位ながら今場所になって突然覚醒し勝ち続ける朝乃山の、最も注目される一番が有りました。
取組は、攻め込んだ朝乃山を土俵際でかわした栃ノ心の勝ちに見えましたが、栃ノ心のかかとが俵を踏み越していると物言いが付き、滅多にないくらい長い協議が続いたあげく、行司差し違えで朝乃山の勝ちになってしまいました。その後、結局、朝乃山は優勝までしてしまったわけですから、本当に大きな一番でした。
ただ、個人的にはどうみてもかかとは出ていないように見えましたが … 。(と言ってもテレビのビデオ映像しか情報はないので何とも言えませんが、それを見る限りでは、その時点で蛇の目の砂に跡はないように見えました)。
相撲は、早い時期からビデオを導入し、他のスポーツより判定に違和感がないと思ってきたのですが、今回はかなり微妙な判定だったような気がします。テニスやサッカーみたいにコンピュータ判定できれば良いのですが、ボールのインアウトみたいに単純ではないので難しいですね。個人的には、微妙な時はビデオを優先した方が良い気がします … 。
上位陣のふがいなさを語るアナウンサー
今場所は、白鵬が全休、貴景勝が途中休場、大関もいつも通り勝ったり負けたり、そして、一人横綱の鶴竜も持ちこたえられず、というぐあいに上位陣が総崩れとなってしまいましたが、この状況について、アナウンサーが番付があってないようなものと嘆いていました。でもなんだか、これをアナウンサーが言ってしまうのは、どうなんでしょう。時々、ベテランのアナウンサーで解説者ばりに持論を展開する人が(他のスポーツ中継でも)いますが。
長年そのスポーツを見てきているので、けっこう正論だとは思うのですが、やっぱり、そこは解説者に任せた方が良いんじゃないかな。
新大関・貴景勝の途中休場(大関最初の場所の難しさ)
今場所、本来は主役になるはずだった新大関の貴景勝が途中休場してしまいました。これを見て、そう言えば、栃ノ心もそうだったな、と思い、やっぱり、今までとは立場の違う大関で取る相撲は重圧があるのかな、なんて思いました。
そこで、他の大関の人はどうなんだろうとちょっと思ったので、自分が知っている大鵬、柏戸あたりからの歴代の大関59人の最初の場所の成績を見てみました。
結果、8割以上の人が勝ち越してますので、実はそんなに悪い成績ではなかったですね (^^ゞ。ただ、13勝以上の好成績は少なく(優勝は3人)、だいたい9勝から11勝と言ったところです。2割弱の人が負け越していますが、ほとんどが休場していて、15日間取って負け越した人は2人しかいませんでした。結論としては、大活躍とはいかないが、とりあえず、負け越さない程度の成績は残しているといったところでしょうか。
今場所の遠藤について
最後に私がファンである遠藤は、今場所も前頭上位で残念ながら2場所連続1点の負け越しとなってしまいました。ただ、今の体調が維持できれば、再びの三役も近いのではないかと思ったりします。(あくまで素人の勝手な見立てですが … )
今場所も、立ち合いから一気に攻めてくる押し相撲、馬力相撲にはあっけなく黒星を喫してしまう相撲もありましたが、豪栄道、栃ノ心、御嶽海と言った実力者に快勝した相撲は、今までとちょっと違う何か手ごたえみたいなものを感じました。この調子で来場所も良い相撲を取ってもらいたいものです。
以上、今日は、夏場所(平成31年)の感想を書いてみました。