【大相撲ブログ】平成30年7月場所の感想 ~ 御嶽海は世代交代の旗手となるか

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御嶽海のイラスト
名古屋場所(平成30年)が終わったので感想を書いてみたいと思います。

今場所は、横綱全員が休場、または、途中休場し、新大関・栃ノ心までも途中でいなってしまったため、前代未聞の寂しい場所になりました。ここのところ、横綱、大関が高齢化しているためか、誰かしら休場していますが、いよいよ、その影響が深刻になってきています。

 

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全体の感想

場所の結果

幕内優勝 西関脇 御嶽海 13勝2敗
技能賞 西関脇 御嶽海 13勝2敗
殊勲賞 西関脇 御嶽海 13勝2敗
敢闘賞 西9枚目
西13枚目
豊山
朝乃山
12勝3敗
11勝4敗
十両優勝 西3枚目 貴ノ岩 13勝2敗

今場所の感想は、なんと言っても、上位陣に休場が多かったなという事です。

休場者(6人):鶴竜、白鵬、稀勢の里、栃ノ心、琴奨菊、千代の国

この休場者ですが、近年、特に多くなっている印象を受けます。普通に考えると、力士の大型化、高齢化が原因なのかな、などと思います。自分が年を取ったせいもありますが、土俵際に変な形で落ちたり、重なったりすると怪我が気になって冷や冷やしてしまいます。昔は、もっと、気楽に、単純に内容や勝ち負けで相撲を見ていたのですが。。

そして、もう一つ、どうしても、良く言われる「八百長が出来なくなったから」と言う事に行きつきます。
15日間全ての相手と全力となると、怪我のリスクは、当然、高くなります。巡業の様にはいきませんが、個人的には、状況によっては、両者阿吽の呼吸の相撲があっても良いのかな、などとも思ってしまいます。

そこで、本当にそうなのか、あの八百長問題の前後で休場者の数を数えてみました。

これを見ると、問題が発覚したのが2011年の初めなので、一見、その時を境に休場者が増えているようにも見えますが、ただ、その前に遡ると2002年前後も今と同じ位の休場者が出ているので、どうも、ガチンコ相撲のせいとも言えないようです。

それでは、なぜこの時期に休場者が多かったのか、気になったので、その時期の番付を見てみると、一つの要因としては、横綱の何人かが晩年を迎えている時期、という事は言えそうです(横綱は負けが続くと引退するしかないですが、その代わりに休場しても落ちることはないので、負けが込んだり、調子が悪い場所は休場してしまうため)。

具体的には、貴乃花と武蔵丸が引退したのが、それぞれ、2003年の初めと終わりで、両者とも引退の少し前から休場を繰り返していたため、必然的に休場者の総数は増える傾向にあったようです。その後、モンゴル全盛期が来て、横綱はモンゴル人力士が続きますが、その中で既に引退した朝青龍、日馬富士はどちらも突然の引退(実質解雇?)なので、休場とは関係なかったようです。そして、現在ですが、稀勢の里が長期休場、他の横綱も晩年を迎えているため、やはり、休場者が増える時期を迎えている、と言えそうです。

以上から、個人的な結論としては、休場者増加の原因は、八百長禁止(ガチンコ強制)と言うよりも、横綱が高齢化し世代交代の時期に差し掛かっているため、としておきたいと思います。

さて、相撲の方はと言えば、横綱、新大関がいない中、順当に、御嶽海が優勝しました。その辺り、次に書いてみます。

気になった力士

御嶽海(西関脇、13勝 2負、※幕内最高優勝)

改めて、彼の成績を見てみると、普通は三役近くまで勢いで上がっても、その後は、壁に当たって、しばらくは下でもがいたりするものですが、彼の場合、ほとんど下がることなく、直ぐに上位に定着してしまった事に驚きます。こんな人は珍しいですね。取り口も、まわしや形にとらわれず、とにかく前に出る力が強い、相撲の理想のようなスタイルです。
最近スポーツ界を賑わしている、ハーフと言う属性も持っているせいか、上背はあまりありませんが、日本人にない身体の強さも感じます。また、性格的にも、稽古場より本番で力が出るタイプと言う話もよく聞きます。(余談ですが、豪栄道は逆に稽古場の強さが本番で発揮しにくい人なのかな、と思っています。硬くなってつまらない相撲で負けているのを度々見るので。)
ここまで書いてきて、ほとんど、欠点があまり見つからないですね。今場所は出ませんでしたが、ここ最近、後半失速していること(癖?)を、本人も口にしていましたが、強いて言えば、その辺りの、淡泊さや気分屋な面は、本人も自覚するところなのかもしれません。

「今場所は横綱がいなかったから」という声もありますが、怪我さえしなければ、大関になるのは間違いないのではないでしょうか。相撲は何が起こるかわかりませんが、年齢や体調を考えると、次の横綱候補の筆頭とも言えそうです。

横綱(全員休場、または、途中休場)

鶴竜は、前回、覚醒したのではと書きましたが、どうやら、自分の買いかぶりだったのかもしれません。白鵬が予想外のことで休場してしまうと、ここ数場所頑張りすぎてしまったせいか、残念ながら、横綱の責任を果たせる状態ではなかったらしく、後を追いかけるように休場してしまいました。

稀勢の里は、今場所も全休して8場所連続となり、最長記録を更新しました。もし出るなら地方場所ではなく東京なのかなと思っているので、さすがに来場所はおそらく出て来るでしょう。そして、それが、現役最後になる予感がします。

白鵬は、支度部屋で足を滑らせる、という珍しい理由で途中休場となってしまいました。以前は、こんなことはなかったので、果たして、このまま、彼の望みの東京オリンピックまでもつでしょうか。一番の相撲では、まだまだ、強さを発揮しますが、15日間6場所、横綱の責任を果たすのは、かなり難しそうです。ただ、稀勢の里の前例が出来てしまった今となっては、7、8場所休場したとしても、誰も文句は言えそうもありません。そうすると、結果として、来年の中頃まで横綱になんとか留まっていれば、後は休場してしまっても、オリンピックまで行けるこになりますね。。(°O°;)

逸ノ城(東関脇、8勝7敗)

一時、減量にトライするなど、下位で迷走していましたが、再び体重を元に戻し、ここ数場所は、一皮むけて、以前の勢いを取り戻してきました。しかし、今場所は、どうも、最初から力が入らないというか、土俵際に攻め込まれると、自ら力を抜いてしまうような取り口もあり、あまりの調子の悪さに、また、相撲に迷いを感じ始めたのでは、と少し心配です。それでも、そんな状態で何とか勝ち越してしまうのですから、彼の圧倒的な体力は、他の力士にとって、扱い難いレベルに達しているは確かなようです。

遠藤(東6枚目、8勝7敗)

先場所の三役から再び平幕に下がり、さすがに、この位置ならと言うことで前半から勝ち星を先行させ、そうそうに勝ち越したまでは良かったのですが、その後、上位と当たると、残念ながら、力負けし、その結果、相撲を乱したのか、または、どこか故障したのか、まったく、後半は精彩のない相撲で終わってしまいました。

相変わらず、一気の馬力相撲を仕掛けられると、後手に回り、自分十分になる前に敗れてしまう相撲が目につきます。きっと、ただ、目先の白星を欲しがるのであれば、立ち合いに攻められたら、思い切りよく相手の力をかわしたり、引いたりすれば良いのですが、それをしてしまうと、そこで、自らの成長をあきらめてしまうという、気持ちからでしょうか、土俵際ギリギリまで追い詰められてから、最後に苦し紛れに技を繰り出すのですが、時すでに遅しと言ったところです。
今のスタイルを貫く限り、三役以上で安定して勝つためには、もう少し、時間が必要なのかもしれません。ファンとしては、もっと、楽に勝つ相撲を取ってほしい気持ちもありますが、相撲は3年先の何とかと言いますので、いずれ、馬力相撲を正面からはね返す姿が見られる日を待つのみです。

 

以上、今日は、夏場所(平成30年)の感想を書いてみました。

 

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