退職したので確定申告(還付申告)を行いました。
退職すると年末調整が受けられないので確定申告(還付申告)が必要、という事で申告を行いました。今回は、退職後の還付申告について、自分が行った、必要な書類の準備から、申告書を提出して、還付金の振込まれるまでの、一連の流れを書いてみたいと思います。
退職後の確定申告(還付申告)
この確定申告(還付申告)ですが、ネットを見ていると、サイトによって確定申告と言っているところもあれば、還付申告と言っているところもあり、最初のうち、ちょっと戸惑いました。そこで、先ず、この2つの違いを調べてみました。
確定申告と還付申告の違い
そもそも、確定申告と還付申告は何が違うのでしょうか。自分なりに調べてみた結論としては、
還付申告 = 確定申告のなかで税金が還付されるケース
という事かなと思います。どちらも、所得と控除を申告して税額を確定させる行為なので確定申告なのですが、敢えて区別する場合に、自営業の人などが税金を確定して収める事を確定申告、サラリーマンなどが給与天引きで先払いした税金を払い戻ししてもらう事を還付申告と呼ぶ、と理解しました。そのため、基本的にやることは同じで、特別に還付申告書と言うものがあるわけではなく、どちらも、確定申告書を使って申告を行います。
申告できる時期
違いがあるとすれば、自分の理解では、申告できる時期でしょうか。
- 確定申告は、2月から3月の決められた期間に限られる。
- 還付申告は、いつでも申告できる。
その為、還付申告は、混雑する確定申告の期間を避けて行くこともできる、という事になります。
必要な書類の用意
それでは、退職後の還付申告のために自分が行った事を順番に書いてみます。 先ず、必要な書類として以下を用意しました。
源泉徴収票
源泉徴収票は、自分の場合、退職時までの収入、退職後のボーナス、退職金の3種類がありました。
源泉徴収票(退職時までの収入)
退職した年の辞めるまでの給与とボーナスの分です。退職してから1ヶ月ほどして送られてきました。
源泉徴収票(退職後の収入)
退職した年の12月のボーナスの分です。自分は10月で辞めたので退職後に支払われました。こちらは、退職の翌年1月に送られてきました。これには乙欄に〇があります。退職後に支払われた退職金以外の給与(賞与)の場合、乙欄の源泉徴収票になるようです。
この乙欄の意味がわからなかったので、自分なりに調べてみて以下の様に理解しました。
退職後の源泉徴収票の乙欄になる理由
乙欄は「給与所得者の扶養控除等申告」を提出していないことを表す。
複数の会社から給与を貰っている人が、二重に控除を受けないようにするために、年末調整は、どれか1つの会社(主たる給与)からしか受けられないようになっている。そして、「給与所得者の扶養控除等申告」を提出した会社が、この年末調整を受ける会社(主たる給与)となる。「給与所得者の扶養控除等申告」を提出しない残りの会社(従たる給与)の源泉徴収票は乙欄になる。この収入に対する年末調整はされないので、必要なら自分で申告を行う。
退職した場合、その時点で、扶養控除申請が効力を失くすので、その後は、従たる給与という事になり、源泉徴収票は乙欄になる。結果的に、同じ会社からの源泉徴収票でも、2つの会社で働いたような形になる。
退職金の源泉徴収票について
退職金については、在職中に確認したところ、退職所得申告書を提出して、別枠で源泉徴収されるので、確定申告する必要はないとのことでした。
—– 退職所得申告書についてはこちら —–
控除証明書
次に控除に関する書類として、先ず、申告書に添付する控除証明書を用意しました。
生命保険(会社)
退職するまで加入していた会社の生命保険です。今まで(在籍中)は、会社で入っているものは、最初から年末調整の用紙に印刷されていて、控除証明書の添付も不要だったので、すっかり見落としていました。控除証明書が来ないので、問い合わせたところ、依頼されないと送らないとのこと。(そんなもんなのかな?)。
生命保険(個人)
個人で入っている医療保険です。これは、今までも年末調整で申請していたものです。
国民年金(家族分)
家族の分の国民年金を代わりに払っている場合、控除に入れられるという事で、その控除証明書も用意しました。
領収書(控除証明書のないもの)
その他に、控除証明書がないものがあるので、それについては領収書を用意しました。ただ、結果的に提出しなかったので、金額の確認のためという事になります。
国民年金(自分と配偶者分)
退職後に厚生年金から国民年金に切り替えて払った保険料です。本来は、控除証明書を添付すれば良いのですが、払ったばかりなので、まだ、来ていません。いずれは送られてくるとは思うのですが、待っていると確定申告の時期に重なってしまいます。そこで、調べたところ、領収書の提示でも良いとのことなので、そうすることにしました。ただ、後でも触れますが、結果的には、領収書について、特に、提示もコピーの提出も求められませんでした。
健康保険
退職後に加入した会社の任意継続健康保険の保険料です。健康保険は、そもそも、控除証明書というものはなく、領収書の提示も不要のようなので、金額の確認のためになります。
確定申告書の作成から提出まで
確定申告書は、国税庁のホームページで作成できるので、それを使用しました。作成から提出まで、大きく以下の3つの作業を行いました。
- パソコンから国税庁のHPにアクセスし、確定申告書を作成する。
- 作成した申告書を印刷して、添付資料を貼り付ける。
- 申告書と添付資料を税務署に持って行って提出する。
以下、各作業で行った事を、順番に書いてみます。
1. 確定申告書の作成
先ず、申告書を国税庁のHPで作成します。
① 国税庁の確定申告書等作成コーナーに入る。
https://www.keisan.nta.go.jp/h29/ta_top.htm#bsctrl
② 作成開始を選択する。
③ 書面提出を選択する。
④ 利用環境の確認画面が出るのでチェックを入れて次へ進む。
⑤ 所得税コーナーへを選択する。
これで、所得税コーナーに入っていきます。
還付申告のために行う作業
所得税コーナーに入った後は、画面に従って以下を入力します。
- 源泉徴収票(退職時までの収入)を入力
- 源泉徴収票(退職後の収入)を入力 ※上記とは別の所得として入力
- 追加する控除の金額を入力
これらを入力すると、新しい税額が算出されて差額(還付金額)が表示されるので、あとは、住所など必要な情報を入力して行けば終わりです。
ちょっと便利な機能
各画面の詳細な説明は、ここでは置いておくとして、使ってみてちょっと便利だなと思った機能を書いてみます。
- 入力途中の状態をファイルに保存しておくことができる。
→ 上記②の画面で「作成再開」を選択し、保存したファイルを選択すれば、そこから再開できる。
- 最後にPDFファイルに出力できる。
→ 最終形を保存しておいて、後から印刷ができる。
- 日付(提出日)と個人番号(マイナンバー)はブランクのままで作成できる。
→ 後で手書きで記入できる。※マイナンバーは平成28年分から必要になったようです。
2. 確定申告書の印刷と添付資料の貼り付け
Web上で入力を終わり申告書ができたら、次に以下を行います。
① 確定申告書をPDFファイルに出力して印刷する。(この時、添付書類台紙も出力できるので、合わせて印刷する)
② 印刷した申告書に日付とマイナンバーを記入して、捺印する。
③ 印刷した添付書類台紙に添付書類を貼り付ける。
④ 最後に念のためコピーを取っておく。
確定申告書
以下が、印刷した確定申告書です。
台紙への添付書類の貼り方について
ここでちょっと迷うのが、台紙への書類の貼り方です。初めてなので以下の様な細かい点が気になりました。
- 台紙に貼る位置が書いてあるけど、貼りきれないのはどうしたら良いのか ?
- 糊で貼らなくてはいけないのか、それとも、セロテープとかでも良いのか ?
自分なりに糊付けして提出に行ったのですが、税務署での様子を見た自分なりの結論としては、
とりあえず、申告書と一緒になっていればどう貼っても良い
みたいですね。糊でも、セロテープでも、ホチキスでもなんでも良いので、なるべく台紙に沿って貼り、貼り切れないものは、申告書にくっ付けてひとまとめににしておけば、ダメとは言われないと思います。
3. 確定申告書の提出
1月末に税務署へ
提出書類ができたところで、前述のように還付申告は確定申告の期間(2月~3月)以外でも受け付てくれるとのことなので、1月末に税務署に持って行きました。
臨時窓口で提出
現地に着いてみると、この時期、確定申告が近いためか、既に入口に臨時の受付ができていて、かなりの人が並んでいます。自分も、流れのままに並んでいると順番が来ました。
てっきり、ここで、中身をチェックするのかと思っていましたが、臨時窓口では、基本、中身を細かくチェックすることはなく、受け取るだけでした。試しに、確認してもらえないか聞いてみたところ、その場合は、2階の窓口へ行ってください、ただ、2時間位は待つ、とのこと。
さすがに、そんなには待てないので、初めてでちょっと不安でしたが、あきらめて、提出だけして帰ることにしました。
国民年金の領収書について
前述のように、添付する国民年金の控除証明書が、まだ、届いていないので、領収書を持っていきましたが、結果的に、特に、提示は求められませんでした。臨時の受付は長蛇の列なので、次から次へとさっと見て、受け取って終わりでしたね。
提出後の経過
振込通知書が送られてきた
提出から約1ヶ月したところで、不備はなかったようで、国税還付金振込通知書が送られてきました。念のため、銀行口座の残高を確認したところ、既に振り込まれていました。
以上、今日は、退職後の確定申告(還付申告)の作成から提出までの様子を書いてみました。少し面倒な作業ですが、そこそこの金額が戻ってきました。退職後に払った住民税の足しには、なったかもしれません。
また、この作業をしている途中で、過去に申告していない控除があることが分かったので、過去分の還付申告もすることにしました。それについては、次回、書いてみようと思います。